単にパターニング加工といっても色々あります。
半導体(LSI,センサー等)などで用いられる極微細なパターン(ナノレベルのもの)から、数百ミクロンレベルのガラス基板などに引き廻す配線、センチレベルの特定部位のみ薄膜施工するものまで、必要な部位にのみ薄膜を施工することで、求める機能を発現させることが可能となります。
東邦化研では、Metal Maskや施工後のエッチング等によりお客様の求める特定部位への薄膜施工を行っております。お求めの薄膜の種類や施工する基材の種類、パターニング形状や施工部位形状等によりMaskingする手法をご提案させていただいております。一度ご相談ください。なおご相談の際は、具体的な寸法や図面などがあると、よりスムーズにお話ができるかと思います。また、これからお考えになるような場合でもお気軽にご相談いただければと思います。
一例として、Metal Maskによるガラスへのパターン形成方法を右図に記します。
- 事前に頂いた図面等からMaskを設計・作製
- 入荷検査や洗浄等実施
- 薄膜施工前に基材(ガラス)に作製したMaskをセッティング
- 薄膜を施工
- Maskを取り外す
⇒パターン形成完了 - 検査・出荷
実際にガラス基板へのパターニング加工を行ったものです。
上記でも述べたように、パターンを形成するためのMaskを作製するため、まずは図面を作成します。これに基づきMaskを作製し薄膜を施工します。図の右の写真は、周辺の配線部はAl(アルミニウム)で形成し、中央の茶色の部分はCu(銅)を施工してあります。このように、パターニング加工では必要な部分に必要な薄膜を施工することが可能です。
右図は、薄膜施工部の中心付近をマイクロスコープにより拡大観察したものです。
下図にもパターン作製した例を表記します。
上記でもAlとCuを用いた配線パターンをご紹介しましたが、右図はAu(金)、Cu(銅)、Cr(クロム)3種類の配線パターンを施したものです。
配線の幅を200μm、スペース幅を250μmで設計したものです。
数種類の配線を同じ基板に施工することも可能です。
電極パターンと同様でラインパターンのみ形成することもあります。
右図はライン幅320μm、スペース幅85μmで設計して作製したものです。
配線では特に、その抵抗値が重要となってきます。バルク(材料の塊)の状態とは異なり、薄膜では厚みや施工条件による膜質によりその抵抗値は変化します。
必要な抵抗値がございましたらご相談ください。
抵抗理論値は下記計算式により算出されます。
薄膜の比抵抗を右図に記します。
一例として、実際に施工した上記ラインパターンでの抵抗値を右図に記載します。
薄膜の場合、特に膜厚との関係は重要となります。