弊社では、イオンプレーティング方式に加えP-CVD(Plasma-Chemical Vapor Deposition)法によるコーティングサービスも始めました。CVD法による利点を生かし、PVD法より付まわりのよい膜形成が可能です。
現在P-CVD法での対応膜種は、DLC(Diamond-Like Carbon)、SiO2、SiN、SiCの4膜種とさせていただいております。またチャンバー(真空窯)内の異種異物による汚染防止のため、基板(膜付け対象物)の材質を限らせていただいております。一度ご相談下さい。
当社のP-CVD法における基本プロセスを右図に記します。
簡単にご説明いたしますと、プロセスは以下の通りです。
- チャンバーに膜付け対象物をセット
- チャンバー内を真空排気
減圧によるP-CVD法 - 一定の真空度に達したらプロセスガスを導入
プロセスガスは目的とする膜成分を含むもの - RFプラズマ源をONにしプラズマを生じさせる
励起源にRF(工業用高周波13.56MHz)使用 - プラズマによりガスの原子や分子が励起され活性となる
- 励起された原子や分子が基板に到達し薄膜を形成する
基板情報
最大搭載可能サイズ | φ12インチ×t20mm |
---|---|
対応可能基板 | Si Wafer,各種ガラス基板 Al系基板(Al2O3,AlN) Si系基板(SiC等) |
対応不可基板 | SUS系、他金属混合物系 |
※大変申し訳ございませんが、半導体基板対応とするため膜付けするチャンバー内の汚染を考慮して、搭載する基板に制限をさせていただいております。お手数をおかけ致しますが、ご対応可能かお問い合わせ下さい。
プラズマCVDにて形成した薄膜の性能評価事例です。ご参考にして下さい。
評価項目 | DLC | SiO2 | SiON |
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可能膜厚 | 0.1~1.0 μm | 0.1~3.0 μm | 0.1~3.0 μm |
密着強度 | ピールテストで剥れ無き事 | ピールテストで剥れ無き事 | ピールテストで剥れ無き事 |
屈折率 | - | 1.46 | - |
動摩擦係数 | 0.094 | - | - |
膜応力 | 1.094 | - | - |
体積抵抗(100V印加) | 2.4E+14 Ω・cm | 1.2E+13 Ω・cm | 2.2E+12 Ω・cm |
表面抵抗(100V印加) | - | 2.8E+11 Ω/□ | 4.2E+09 Ω/□ |
ピンオンディスク摩擦摩耗試験機によるDLC膜摩擦摩耗試験データ